正法寺おみがきの日
冷え込んだ朝。
11月24日は、正法寺のおみがきの日。
午前8時半頃から、門徒の皆さんが三々五々集まって来られる。
まずは、コロナ禍なので体温測定と健康観察。
それが終わり、おみがきの日の始まり。
まずは、ご本尊に合掌礼拝。
門信徒会会長のあいさつ。
続いて住職。
皆さんそれぞれの道具を携えておられる。
男性陣は、境内の植木剪定等の作業。
女性陣は、本堂そして庫裏の清掃。
さあ、おみがきスタート。
男性陣を中心に境内の剪定、草取りが進む。
本堂そして庫裏。
女性陣は、窓ガラスや廊下を中心に掃除が進み、ぴかぴか。
皆さん、多分「周利槃特」にならって
お念仏と『塵を払い、垢を拭わん』という言葉を称えながら、
お寺の掃除に徹しておられるのかも。
周利槃特について
お釈迦様のお弟子の中に周利槃特(しゅりはんどく)というお方がおられました。
『仏説阿弥陀経』では、お弟子たちの名の7番目に「周利槃陀伽」という名で登場します。
周利槃特は物事を理解するのが苦手で、また非常に記憶力が弱く、自分の名前さえも覚えられず、名前を書いてもらった札を首からぶら下げていたといいます。お釈迦様の説法を聞いてもいつも理解できず、すぐに忘れてしまいます。
そこで周利槃特に、お釈迦様は一本の箒を渡した。
「お前はこの箒を持って、今日から毎日、精舎の掃除をしなさい。
そして、掃除をしながら『塵(ちり)を払い、垢(あか)を拭わん』と称え続けるんだ。
これだけ短い言葉なら、お前にも覚えられるだろうからね」
その日から周利槃特は、お釈迦様に言われた通り、
ただ一心に、『塵を払い、垢を拭わん』という言葉を称えながら、
来る日も来る日も、精舎の掃除だけに徹しました。
やがて、彼の心の中に、一つの疑問が沸き起こりました。
「“塵”とは何だろう? “垢”とは何だろう?」
周利槃特は、延々と掃除をしながら何十年も考え続け、
終に、それが自分の心の中にある『三毒』に他ならないことに気付きます。
※【三毒】むさぼり(貪欲)・いかり(瞋恚)・おろかさ(愚痴)
「どんな人の心の中にも、この三つがある」と。
このことこそが、お釈迦様の教えであることに気付いた周利槃特は、
一心に箒を持って掃除をすることだけによって、
阿羅漢の覚りを得ることができたというのです。
皆さん、今日は、「おみがきの日」なので、「塵(ちり)を払い、垢(あか)を除か ん」と心に思いながらの時間となったに違いないと思っています。
参加者が多く思いの外早く終了しました。
そして全体の写真を撮影。
手作りの弁当とミカン、そして飲み物を
もって解散となりました。
ところで門徒の中には、当日「おみがきの会」に都合で参加できないので、
前日に庭木の剪定をしておられます。
皆さん笑顔がいっぱいの「心のおみがきの日」となったのではないかと思っています。
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