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お仏壇を整える

 大森隆盛様の逝去の報に生前の姿を思い出し、悲しみにたえません。 76歳でした。法名釈摂護(しょうご)。正法寺の総代をしていただいていました。また地域の区長、民生委員等もしておられました。  葬儀を終えて身内の方から 「父は、本当に多くの病気に冒された体でありながらもいつも前向きに生きていました。家族にも優しかったです。」「弟は、一生懸命生き、家族の病気を全部引き受けて亡くなっていきました。」と。 これらの言葉にも大森さんの人柄が伝わってきます。  私も、ここ数年お取り越に伺っていました。熊本地震で母屋は住むことができなくなり、 小屋にお仏壇も運び、不自由な生活を送っておられました。しかし、いつ会っても元気な声でにこやかに語っておられたことを思い出します。  二年後母屋を新築されました。お取り越でお参りをすると新築の香りが漂っていました。 お仏壇もまた新しく整えられ、身が引き締まる思いがしたことを思い出します。 「地震で壊れた家をやっと取り壊し新しく作ることが出来ました。」 「お仏壇は新しくしたけれど、ご本尊は前のお仏壇の阿弥陀様です。」

 心のよりどころとしてお仏壇があることがよくわかる言葉でした。語られる姿に清々しさを感じたものでした。

家の前にある馬頭観音様があります。苔むし静かに鎮座しておられます。 この馬頭観音様についても心を痛めておられました。

「観音様の祭日には回り持ちで座を持っていたんだけど、みな年をとって 若い人は 外に出てそれも難しくなりました。」 「この村には、今は牛が一頭おるだけです。昔はそれぞれの家におったとですがね。」 村の人々のつながりが薄まっていくことにも心を痛めておられた。村の人々が集い、語り合うことの大事さを知っておられたのですね。  明日に礼拝、夕べに感謝と阿弥陀如来に手を合わせること、そして村人が集まり語り合う生活が大事なことであるのも身をもって教えていただい大森様です。有り難い出会いをいただいたことを深く感謝いたします。

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