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新年の辞

 2019年12月31日午後11時より、参拝の皆さんと共に除夜の鐘を撞き、終わったのは午前1時頃でした。

そして、2020年1月1日午前8時半より本堂にて元旦会(がんたんえ、正月のお勤め)を勤めました。

勤行の後、お参りの有縁の人々と最初にかわしたのは、「あけましておめでとうございます」というあいさつです。

 明応二年(1493)の元日、蓮如上人が門弟の道徳さんに向かって語られたと伝えられている言葉があります。新年のご挨拶に蓮如上人を訪ねると、蓮如上人はいきなり、「道徳は何歳になったのだ、お念仏を申しなさい」と、おっしゃったそうです。 そのお言葉は、本当に大切なことであるからこそ、お正月の年頭の挨拶の時におっしゃったお言葉だったのでした。  新年を迎えると、私たちは「おめでとう、おめでとう」と述べていますが、蓮如上人は、「何が本当にめでたく、歳を重ねるということはどういうことか」を問われているのです。つまり、新年を迎へ歳を重ねるということは、いよいよ「生の意味、死の意味」をしっかり考えなければならない時期であることをさとされているのです。  また、「いくつになるぞ」とお言葉は、新年を迎え、今年もこのままの状態で続きたいと願っている私たちに、「いつまでも同じではない。だからこそ今を大切にしなければならないぞ」という問いかけでもありましょう。

 そして、どのような人生の問題にぶつかっても、如来様のお救いの中にあることを思い、お念仏申す身となってくださいと、蓮如上人がよびかけてくださったのです。  今を大事にすることは、今年を大事にすることであり、そのまま一年、そして生涯を大事にしていくことでもあるのです。  新年の始まりに、蓮如上人のきびしい問いかけをしっかりと心に置き、聴聞に励む一年でありたいことです。

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