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物言わぬものたちにも歴史がある

 本堂裏の渋柿、樹齢、推定150年。西南戦争(明治10年の戦争)の大火をなんとか逃れ今に至る。寺は官軍派に火を放たれ焼失。多くのご門徒の家も焼失した。それから、必死で住居を再建されたり、荒れた田畑を耕作された。生活再建もままならぬ中、浄財を出し合い本堂が20年かかってようやく再建。現在の本堂はその時のものだ。本堂の仏具もご門徒の皆様が寄進されたものである。生活の余裕すらない中に、仏具を整えていただいた。ご先祖たちは、日々の生活の中にお念仏申し、御正忌報恩講・彼岸・お盆と折にふれてお参りされ、手を合わせて、お寺を守って来られたのだと、しみじみ思うことである。

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